輸血やセックスが原因でB型肝炎に感染することがある

A型肝炎ウイルスは、下痢を起こすウィルスに似た、直径27ナノメートル(ナノは100万分の1m)の大きさのウイルスです。
主に感染者の糞便から出たウイルスが、回りまわって口から入って感染します。
このウイルスに一度感染すると抗体ができるので、二度とかかることはありませんが、ごくげきし半つかんえんまれに劇症肝炎という、非常に危険な状態に進んでしまうことがあります。
日本では、衛生環境が悪かった時代を過ごした卵代以上の人は、すでに免疫をもっていることが多いのですが、衛生環境が整ってから生まれた若者たちには免疫のない人が少なくありません。

このため、東南アジアやアフリカといった発展途上国へ旅行する若者が多くなるとともに、このウイルスに感染する人が目立つようになっています。また最近、ホモセクシャルの人たちの問で、A型肝炎の感染がみられています。
A型肝炎にかかると、かぜのような症状が続き、次に発熱、関節痛、食欲不振、吐き気などが現れます。その後、尿が黄色くなったり、黄疸が認められるようになります。
治療は初期段階で点滴を行うことがありますが、安静にしていれば慢性化せず、自然に肝機能が回復してきます。急性肝炎を起こしてから早くて1〜2週間、遅くても2〜3か月で治まるのがふつうです。

B型肝炎ウイルスは直径42ナノメートルと、A型肝炎ウイルスの2倍ほどの大きさです。B型肝炎ウイルスのキャリアの血液や体液から感染し、1〜6か月間の潜伏期間を経て発病します。
この肝炎の感染者のほとんどは、免疫力が不十分な2〜3歳までの乳幼児期に、母親から感染(母子感染)したものです。
成人後は輸血やセックス、なかには覚せい剤の注射針や刺青などから感染するケースもありますが、免疫力が十分に備わっているため、かぜに似た症状や食欲不振といった症状がでても、一部の劇症肝炎になる例を除いて、ふつうは2〜3か月で肝機能は正常化していきます。
ただし、強いストレスや疲れすぎなどでたまたま免疫力が落ちているときにB型肝炎ウイルスに感染すると、そのままキャリアになってしまうことがあります。また最近、B型肝炎にもウイルスの型により慢性化しやすいものとしないものがあることがわかってきました。

C型肝炎キャリアの20〜30%が肝硬変やがんになっている

C型肝炎ウイルスも、B型と同様に、キャリアの血液や体液から感染する直径約開ナノメートルの粒子状のウイルスです。
このウイルスに一度感染すると、体の中で免疫反応が起こっても中和抗体ができず、いつまでも体の中に居座わってしまいます。
中和抗体とは、ウイルスの外側のたんぱく質に対してできる抗体で、この抗体がしっかり働けばウイルスを破壊することができるのですが、C型肝炎ウイルスは外側のたんぱく質の性格を次々と変えてしまうので、中和抗体が効かなくなってしまうのです。
感染源は輸血や注射針が使い捨てになる以前の医療行為などといわれていますが、このウイルスは感染力が弱く、日常生活の中で感染することはまずありません。
自覚症状もB型肝炎などと比較しても軽く、ほとんど症状がでないといってもいいほどです。そのため、キャリアであることに気づかず、そのまま一生を過ごす人もいます。
ただ、その一方で、C型肝炎ウイルスのキャリアの別〜釦%が感染後、別〜仙年後に肝硬変、肝がんを発病していることは見過ごせません。治療にはインターフェロンが主に用いられるほか、リバビリンやシメプレビルなどの抗ウイルス薬を併用することで、治癒率は80%以上となっています

最近、性行為、ホモセクシャル、ピアス、刺青、薬物注射などが原因とみられる肝炎ウイルス感染が、別〜刈歳代の若い人の間に広がっています。
C型肝炎は、かつては覚せい剤注射、売血、輸血、血液製剤、注射針の再利用などの医療行為などが原因で感染が広がり、高齢者の感染率が高く、若年層ほど低くなる傾向でした。1989年にHCV(C型肝炎ウイルス)が発見されてからは、医療行為関連の感染はなくなり、感染率は下がり続けると考えられていましたが、最近の知見によると、日本人の若年者で新規の感染が増加していることが判明しました。C型肝炎は感染初期には自覚症状がないため、前記のような経験者は感染の有無を調べておきましょう。